フラワーデザインを引き立てるシンプル設計
奥様の仕事はフラワーデザインの先生。今は趣味としてフラワーデザインと付き合っている。フラワーデザインは、とてもユニークな発想で美しさを生み出してゆく。
ただ、花をアレンジメントするだけでなく、飾るための器や飾り物を自由に発想し創っていく。奥様の自由な発想は、年間を通して変化していく。フラワーデザインの愉しさを十分に活かせる住まいの答えは、 自然素材を活かしたシンプル設計でした。
住まいと木々とのバランス
鎌倉の閑静な住宅街にある住まいは、ある一定の旋律でデザインされているようだ。その旋律ともいえるのは、住まいと木々のバランスだろう。住まいは、家をきれいに建てるだけでなく庭とのバランス、そして庭に立つ木々や草花によっても表情が変わってくる。夏には青々としていた玄関脇の木も、残暑が和らいだ頃には 秋の装いに変わってくる。
木の葉が紅葉すると、住まいも衣替えする可能に表情が変わっていく。日本の季節感を愉しむために、庭には多種多彩の木々を植え、その木々が表現する季節感と共鳴する住まいは、やはりシンプル設計なのだろう。
フラワーデザインで着飾る住まい
住まいと木々とのバランスは、外観だけにとどまらない。フラワーデザインのクリエイティブ性を活かすのも、 無垢の木の柱と漆喰の壁。部屋の内装はいたってシンプル。内装の色は、天然無垢の 木の色と漆喰の白だけ。漆喰の白が、まるでフラワーデザインのキャンバスかのよう。シンプルな設計がフラワーデザインを活かし、住まいの季節感と 愉しさと生み出している。
家中には、いたるところにフラワーデザインが飾られている。夏から秋に季節が移ろう時期の花々が20種類以上。玄関ホールや階段の小窓、吹き抜けのある部屋の柱、そして床の間に至るまであらゆる表情のフラワーデザインが飾られていた。
これだけのフラワーデザインをするのだから、自然とフラワーデザイン好きの奥様方が集まってくる。作業が終わると、フラワーデザインを鑑賞しながらティータイム。こんな時間が、また住まいの愉しみにつながっているようだ。