庭の盆栽の景観を愉しむ住まい

 

鎌倉T様邸 木と漆喰の家 style07

設計のポイント

つながりのある設計が、暮らしのストレスを無くす。

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つながりのある設計が暮らしのストレスをなくす


お父さんの趣味は盆栽。庭には所狭しと盆栽の数々が並んでいた。盆栽と住まいのバランス、そして一年中を通じて過ごしやすい空気環境のある暮らしが欲しいと思っていた。家全体を一定の空気環境にしたいから、必然的に1LDKの間取りになった。家のどこに居ても変わらぬ温度環境は、身体にストレスを与えることがない。そして、居間から眺める盆栽の景観が暮らしをさらに愉しくする。

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空気のキレイな住まい


一年中を通じて室内の空気環境はとても良い。適度な温度環境と爽やかな空気が実現されている。この家の間取りは、ほぼ1LDKという感じ。玄関を入ってすぐの畳の間から奥のキッチンまでが一体化された大きなリビングになっている。そして、板の間のリビングには大きな吹き抜けがあり開放感たっぷりだ。しっかりとした断熱と適度な気密設計、そして自然素材に包まれた空間は暮らしにとって快適な空気環境をつくり出している。夏場の一番暑い日でもほとんどクーラーをかけることが無いのだそうだ。

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今年も夏場の電気使用量が問題となっているが、この住まいではそもそもがエコ設計であるため震災後もいつもと変わらない生活がある。さらに自然素材の床材は、足の裏に柔らかな感触と冬場でも冷たくない温度環境を与えてくれる。断熱性能の高い住宅では床暖房などの設備をあえて入れなくても快適な生活環境が担保されている。断熱性能を高めると、室内空間も大きく確保することができ吹き抜けのある暮らしも実現してくれる。吹き抜けの空間を設けることでキッチンからは家全体の様子がわかり、家族の息遣いが伝わってくるコミュニケーション重視の間取り設計を可能としている。

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2階にあがってみると寝室の扉が少しだけ開いていた。そこから見え隠れしたのはお昼寝中の次男。リビングではお兄ちゃんがコマ遊びをし、2階の寝室では弟が寝息を立てている。吹き抜けあることで、次男が目を覚ませばお母さんが気づく距離感が実現している。それぞれの空間のつながりが感じられる設計は快適で愉しい。

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お父さんの趣味と至福の空間


庭には所狭しと盆栽が並んでいる。四季を通じて庭の木々は季節感を与えてくれる。そして、玄関を入るとすぐにあるのが4畳半ほどの和室空間。和室の中央には年季の入った丸いちゃぶ台。玄関側には、これもいい感じに経年変化した収納家具。赤黒くアメ色に変化した家具は新しいものより愛おしく感じられてくる。経年変化した収納家具と長年手塩にかけて育ててきた盆栽。どこか共通の価値観を思わせる。そして、この家のご主人は週末の静かな日に、チャブ台の越しに盆栽を眺めお酒を飲むのが至福の時。

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